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一刀両断! 情報商材ジャーナル

検証【2100円で海外旅行する方法!】

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電子書籍業界のコンプライアンス推進 E-BOOK白書 Weekly
一刀両断! 情報商材ジャーナル 【第 25号】  
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検証【2100円で海外旅行する方法!】

インフォトップサイトのトップページ最上部、グランドパネル
と称される広告枠に一昨日より株式会社インフォトップマーケ
ティング(代表取締役 笠浪哲司)主催の企画広告特集

「激安海外旅行計画2007-08 あなたも『海外組』になっちゃおう!」

のバナー掲載が始まった。

広告ページには
「海外への招待状をプレゼント!」

「諦めるにはまだ早いですよ!たったの2100円で海外旅行に行ける
方法や、海外旅行で小遣い稼ぎまで可能になる夢のような方法まで
『好きなときに、いつでも』海外に行ける方法があるんです!今年
は芸能人のように、海外で年を越すというのもアリかも?!」

インフォトップマーケティング社が執筆した煽り文章が。
実質インフォトップが推奨しているに等しい紹介の仕方だ。

商材の販売方法に問題は無いか、

「2100円で海外旅行する方法!」
販売サイト→http://2100yen.com/infotop/

を検証してみた。

■価格     11,800円

■販売者    有限会社ペイ・フォワード
■販売責任者  古倉 功一
■所在地    石川県金沢市西念4-23-23-808

■販売サイト
では販売サイトを見てみよう。

「なんと、このテクニックを使って普通に生活するだけで
海外へ行けるようになったんです!
それから、収入が少ない私達でも、暇を見つけては海外旅行できる
ようになりました。
後ろめたいことをするわけでもなく、そして、懸賞に応募したりする
ような方法でもなく、普通に暮らして実践できる方法なのです!!!」

商材の要旨は
「収入が少ない人間でも2100円の元手で、普通に暮らしているだけで
海外旅行が出来る」

ということのようだ。

更に購入者の匿名体験談として、

「来年は、5月にエコノミーで母とパリ往復、
さらに、9月にファーストクラスで主人とパリ往復が
できるほどなのです!!!」

「一度セットしてしまえば、後はほぼ自動的に
海外旅行がゲットできてしまう。。。 」

「明日から実践できるってすごくないですか?
自分が行動した分だけ、利益が返ってくる。」

など、商材購入の翌日から、ほぼ自動的に旅行が手に入る
ようなことが再三に渡ってアピールされている。


■論評

この商材は、2,100円で海外旅行にいけるということだったが
販売サイトでは語られていないことが明らかになるため、
違和感を覚えた購入も多いはずである。

それから、少しでもマイルについて詳しく調べたことがある人間
であれば、既に知れ渡っている内容である為、「なんだ、これかよ」
という気持ちになっただろう。


具体的な手法は次の通りだ。

クレジットカード(三井住友ANAカード)を使いマイルを貯めて、
航空券に交換をしていくという手法である。

始めにに行うことは、三井住友ANA VISAカードに入会し、「パソリ」
を購入若しくは「おサイフケータイ」を使い、生活支出を可能な限り
カード支払いにするということである。

ちなみに、三井住友ANA VISAカードの申し込みの際の注意点は以下が
述べられている。

1 一般カードを選択
2 「マイペイすリボ」は5千円か1万円に設定
3 ANAマイレージの会員番号を持っていなければ空白
4 MasterじゃなくてVISAを選択する
5 審査に通過するコツとして、
   全ての欄に極力記入する
   勤務先の電話番号は本社

 実際にカードが届いて利用する際の注意点だが、この「マイペイすリボ」
というリボ機能を設定した状態で買い物をする際に、リボ払いといわずに
一括払いとする。

月に1回、規定の日までに三井住友カードに連絡を入れるとリボに
ならずに一括で支払いも可能になり、ポイントは2倍、年会費は半額の
1,076円(通常2,100円)になる。

 さらに、ここから先はEdyを使った話が述べられる。

このEdyは一部の地域を除き、日本の多くのコンビニで使うことができ、
ショッピングの際にEdyで買い物をすると、200円あたり1マイルが貯ま
るのである。

 また、Edyはチャージ式の電子マネーであるためお金をチャージ
(入金)する必要があるが、このチャージを「パソリ」というパソコ
ンにUSBで繋ぐ機械を使うと、クレジットカードから入金ができるのだ。

Edyは一回のチャージで25,000円、最大で50,000円までチャージが
可能であり、三井住友ANAカードでチャージをすると、1,000円で20
マイルがショッピングと同じように貯まるという訳だ。

つまり、コンビニで200円の買い物をすると合計5マイル相当のマイル
が付与されることになる。

一つ注意事項として挙げられているのは、公共料金のEdy払いである
が、これは残念ながら200円で1マイルはもらえないため公共料金に
関してはクレジットカード払いとEdy払いで獲得できるポイントは同じ
になるということだ。その他、他にもCNチケット代金、たばこ、金券
等の支払いに関しても対象とならないと述べられている。

 ここまででメインとなるマイルのため方は終了である。

この後いくつか、ショッピング以外でマイルを貯められる手法が紹介
されるが、ここまで述べられてきた話もここから述べる話も、

「陸マイラーのマイレージ道場(http://www.get-mile.com/)」に述べら
れていることばかりである。

このサイトのトップページにも「2100円で海外旅行に行く方法」という
無料のコンテンツが掲載されている。

同サイトはマイルの貯め方に関連するサイトでは最も有名なサイト
で、2007年11月時点でgoogle検索「マイル」でウィキペディアに続き
2位に来ている為、クレジットカードでマイルを貯めるほとんどの人は
このサイトに載っている情報までは知っている。

実はこの無料で情報が公開されているサイトに無い希少な独自情報
がこの商材に書かれてはいない。
 
 さて、その他の内容では以下のようなものが紹介さていている。

スルガ銀行ANA支店を利用すると、給与振込口座に指定するだけ
で年間600マイル、カードの引き落とし口座にして年間60マイル、生
命保険、損害保険の引き落としで年間60マイル、マイル付き住宅ロー
ンを利用すれば最大25万マイルが貯まるということ。

 その他、ANAグループサイトや提携パートナーを活用、例えば、提
携ガソリンスタンドで使うと余分にマイルが貯まることや、ポイント
サービス利用によるマイル獲得が述べられている。

 後は、カードからマイルへの変換手数料が年間2,100円掛かること
の説明や、航空券への交換方法など細かい内容が述べられているが、
こちらも何ら変わった情報はなく、該当企業から送られる説明書に
書かれている程度のことだ。

 ここからは、E-BOOKの内容と販売サイトの差異、つまり問題点を
指摘していきたい。

この商材は、2,100円で海外旅行する方法というタイトルで売られて
おり、マイレージを貯めることなどは販売ページに一切書かれてい
ない。

この販売サイトを見た人は手元に2,100円があれば海外旅行ができると
勘違いしてしまうことだろう。

 しかし、実際にはマイルを貯める以上、かなりの支出が毎月なけれ
ばとても海外旅行にいけるだけのマイルは貯まらない。

このE-BOOKの手法はクレジットカードを使うことでマイルを貯めるた
め、その貯まり具合は支出に比例するからだ。

 更に、国際航空券を手にしたとしても野宿でもしない限りは膨大
なホテル代が掛かってしまうだろう。
販売サイトではそこにも一切触れられていないのだ。

2,100円で海外旅行が出来るという内容が、3,176円の固定費と
多大な出費、野宿による海外旅行では納得できない購入者も
多いのではないか。

「誰にでもできるとあるテクニック」と販売サイトでは謳っている
ので、購入者は「自分もできる」と思ってしまうだろうが、実際に
はカードを取得できる人でないと実施できない。

取得するカードは三井住友カードのANAカードであり、銀行系クレジッ
トカード会社としてその審査のレベルは最難関の一つである。

この部分は重要事実の不告知に該当する。

 まだ問題はある。販売サイトを見てすぐにマイルを貯める方法だと
分かる人もいるだろう。
一見すればこの商品はマイルについてほとんど知らない人のみが買
ってしまいそうだが実はそうではない。

 販売サイトと商品を見比べてみて巧妙な罠が販売サイトに仕込まれ
ていることが明らかになる。

このE-BOOKの主な手法は、

三井住友ANAカードをリボ払い専用カード(マイ・ペイすリボ)にする
と、年会費を通常の2,100円から1,076円に下げることができ、

かつマイルの貯まり方は、1000円あたりで10マイルから20マイルに上がる
というサービスをやっている。

しかも支払いはリボと言っても月に1回、一括払いを特定日までに三井
住友カードに依頼しておけば手数料は取られないという最もマイルが貯
まりやすいカードが誕生する。

これがこの商材の肝となっている。

しかし、この内容はマイルを貯めているほとんどの人が知っている
ことだろう。それほどまでに有名な手法だ。

更にその他、公共料金などクレジットカード払いができないものは
コンビニ払いにしておき、その支払いをEdy(電子マネー)で支払いを
するとEdyへのチャージを三井住友ANAカードから行うことで1000円
あたり20マイルが貯まるということだ。

と、これもマイルを貯める人間の常識である。

これらの知識を皆(マイラーと呼ばれる人たち)が一般的に保有してい
るが故にこの商品を逆に購入してしまうのである。

どういうことかというと、著者は自分の年収は平均よりも少ないと
販売サイトで述べた上で、

昨年は20万円はするアジアへのビジネスクラスで旅行をしている、

という。

アジアと言っても、韓国へビジネスクラスで行くのには30,000マイル、
台湾などでは40,000マイルとなっており、販売サイトではアジアとは
どこの国かを明らかにしていないが、これはE-BOOKの中で韓国であった
ことが分かる。

つまり2人分で60,000マイルを貯めていることになる。

60,000マイルを貯めるには、ひと月5,000マイルを貯める必要があり、
1000円で20マイルが貯まる上記の手法を使ってもひと月25万円のカード
払いが必要である。

とても年収が平均以下と言っている人が使える金額ではなく、
アジアにビジネスクラスで旅行に行くために何らかの裏技を行っている
のではないか、と多くの陸マイラーと言われるクレジットカードで
マイルを貯める人たちは思うだろう。

しかし、蓋を開ければ、
「陸マイラーのマイレージ道場(http://www.get-mile.com/)」
に載っている内容ばかりであり、情報量はそれ以下。

結局E-BOOKの中では、裏技を使っていた訳ではなく、
年間160万円程度の家庭の支出に加えて、会社の経費を使うことで
支払いが25万円になっていたのだ。

会社の経費を見込むことは「普通に生活して」という販売サイト
の記述からは相当な違和感を覚える。
職業や男女、年齢によっては経費という他人の勘定を自分のカードで
決済する機会を持たない人も多いだろう。

1ヶ月に25万円をカードとEdyで決済するというのは相当ハードルが高い。

「収入が少ない人間でも普通に暮らしているだけで」
というのは誇大表現だ。

さらに、販売ページでは、昨年は6回の海外旅行に行き、その効果は
70万円相当にも上ると記載されている。

これを見た側はマイルは航空券に換算時1マイルおおよそ2~3円
となることから、「著者は年間200,000~300,000マイルを貯めている
のでは?」と期待してしまい、ますます商材を購入したくなるだろう。

しかし、手法は無料のホームページ(陸マイラーのマイレージ道場)
に書かれており、マイルを貯めている人から見れば当たり前の内容ばか
りである。どうやって70万円の効果に相当するマイルや年間6回の海外
旅行にいったのかは明らかにされなかった。

手法自体が悪いわけではない。

「マイルをお得に貯める」という発想が全く無い人にとっては
情報として価値がある。
しかし、通信販売という中身を見て買うことが出来ないという特性
を逆手にとって無料で流通する情報を、重要事実を一部隠匿し、
誇大な積算で効果を表現して、11800円という高価格で販売されてい
ることに釈然としない思いはある。

ただ、ここは買った人間の主観によるものだろう。

販売サイトには
1 クレジットカードの作成が伴うこと。
2 カードが作れない、審査に落ちる可能性の高い人は
対象とならないこと。
3 効果として示している旅行獲得の為に必要な消費額または
 年収など。
 
これらを明記しておくべきだろう。

私個人の主観を述べれば、販売サイトを改善し、価格をもう少し
下げれば、購入者の不満は減り、電子出版の目指すべき健全な市
場に陳列されるべき商品として耐え得るものだと思う。

ただ、株式会社インフォトップ(代表取締役高濱憲一)が書いた煽り文章、
今年の正月を海外で過ごすことも可能であるかのように書かれているが、この方法では
今から正月までに海外旅行をするだけのマイルを貯めるのは
至難である。また、「たったの2100円で海外にいける方法」という
紹介の仕方も消費者を誤信させる。
よって、インフォトップのコピーこそが、
誇大表現であると指摘しておく。
そして、高濱憲一社長はネットでタダで手に入る情報を高額で売りつける詐害的商売のやりかたを
変えるべきだ。

文責
株式会社トレンドライフ編集部
山岸 悟

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