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一刀両断! 情報商材ジャーナル

違法商材【ネットで競馬や麻雀を楽しみながら月収65万円以上稼いだ方法!】

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一刀両断! 情報商材ジャーナル 【第 21 号】  
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違法商材【ネットで競馬や麻雀を楽しみながら月収65万円以上稼いだ方法!】

トレンドライフ山岸です。

インフォトップ24時間ランキングで気になる商材が一気に3位
に浮上した。

「競馬、トランプ、将棋、オセロ、UNO、囲碁、釣りetc
ハンゲームで好きなゲームを楽しむだけで月収65万円
以上を稼ぎ出した方法」

「1日に30分、麻雀や競馬で遊ぶだけで月収65万円を
稼いでしまいました・・・」

またしても楽して、ほったらかしで、不労所得を夢見る
情報商材コレクターの購買意欲に火をつける新商品の登場だ。

さて、その種明かしは何なのか、
まあ、結果は判りきっているが

【ネットで競馬や麻雀を楽しみながら月収65万円以上
稼いだ方法!】

販売サイト→ http://hng-m.com/
(販売者=HNG事務局 中岸道代 住所 和歌山県東牟婁郡
那智勝浦町井関1009-1)

を緊急検証してみた。


■目次
なし

■ページ数
107ページ

■評論

ネット上のマルチ商法。
この一言で事足りる。

買った人間は「やられた」と思う。

そしてこの商材を買った客は
二度と情報商材など買わないだろう。

ハンゲームとは、無料で数多くのゲームを楽しむコミュ
ニティーのようなサイトであり、言うなればゲームができ
るmixiのようなものである。

「ハンゲームで稼げる方法教えます」と、ゲームを純粋に
楽しむ人々を誘い入れ、この商材をアフィリエイトで売り
つける、そしてその購入者がさらに新たな被害者を勧誘
するという悪どい商法である。

これは不幸のチェーンメールのようなものなので、ここで
食い止めないと一気に広がってしまう。

この形態は法律的には特定商取引法の定める「連鎖販売取引」
に該当する。なのに法定記載事項も無いし、契約書面も交付
していない。

明確な違法取引である。

インフォトップでの販売中止、契約の取消しも充分ありえる
のでアフィリエイターは顧客への紹介を即刻中止すべきだろう。

購入者で解約希望者はクーリングオフが適用されるので、
同社とインフォトップに解約の通告を。

(通常は連鎖販売取引のクーリングオフは契約書面=特商
法37条2項=の受領日から20日間だが、この商材の発売者は
契約書面を交付していないので、法的には永久に権利が
留保されることになるが、念のため20日以内に)

連鎖販売取引の要件(特商法第33条1項)は

・商品やサービスの有償での販売・あっせんを業とする
(→商材のアフィリエイト)

・勧誘の際に特定利益が得られると勧誘すること
(→この発行人は連鎖販売取引であること自体を
隠匿する「事実不告知」「書面交付義務違反」
を犯しているので二重に悪質だが実質的に同等の
勧誘を行っている。)

・販売員・あっせん員になる為に金銭負担を伴うこと
(→商材代金)

・販売員・あっせん員になるものが店舗によらない個人
 であること
である。

特定利益とは、
「その商品の再販売、受託販売若しくは販売の斡旋をする
他の者又は同種役務の提供若しくはその役務の提供の斡旋
をする他の者が提供する取引料の全部又は一部」
である。
(→アフィリエイトフィー)
完全に該当するのである。

(※販売ではなく、あっせんでも該当するのです。)

法律の話ばかりでは退屈だと思うので、
この違法販売商品の内容を検証してみよう。

セールスレターの記述は、

「私は1日に30分、麻雀、競馬で遊ぶだけで月収65万
円を稼いでしまいました・・・」

「この方法はたった30分、パソコンで簡単な作業をする
だけで三日坊主だった私にでも月収65万円以上を稼いで
しまった方法です。」

「具体的に説明すると、ハンゲームというサイトを使って
ある仕掛けを作り、 競馬、麻雀、大富豪、将棋、オセロ
などをして楽しんで頂きます。」

「作業はとても単純で ・インターネットに接続されてい
る環境 ・キーボードを打つ事が出来る体 ・日本語を読
むことが出来る この3つの条件があれば、誰にでも実行
は可能です。」

あたかも、ゲームを楽しめば簡単にお金が入ってくるように
述べられている。

しかし、実際はこの商材をハンゲームのサイトの中でアフィ
リエイトで紹介しまくるというだけのものだ。

明らかに誇大広告である。

 それでは実際に内容を説明したい。

この商材ではまず最初に自己アフィリの説明から始まる。

クレジットカードなどの自己アフィリ、つまり、自分でクレ
ジットカードのアフィリエイトをして、自分で申し込むこと
で報酬をもらうという方法が説明されている。
まず商材代金の元を取ってくれ、ということだが、よくある
「ネットでお小遣い稼ぎ」の内容である。

 ここから、商材の本筋の内容に移る。

まず、ハンゲームについてであるが、これは、無料ゲーム
が楽しめるオンラインゲームコミュニティであり、多くの
ジャンルのゲームが楽しめる他、チャット、掲示板、アバタ
ーなどもあり、ゲームで知り合い・友達を作っていけるとい
うものである。
⇒ http://www.hangame.co.jp/

 既にユーザーは数十万人を超えているということである。

まずはこのサイトにおいて無料の会員登録をする。
次に自己紹介を作成し、ハンゲームで提供しているブログ
サービスがあるので、このブログは如何にも自分が儲けて
いるような内容にして、このブログを公開するという。

次にサークル・コミュニティを使う。
⇒ http://www.hangame.co.jp/guide/index.asp?Content=circle

ここでは、色んなジャンルのコミュニティが作られており、
そこに多くの人たちが在籍している。

mixiを想像するとわかりやすいだろう。

ここから誘導がスムーズにいきそうなカテゴリで、
かつ参加人数の多いサークルを選択して参加をしていくという。

当然、人数の多いサークルに参加すれば、自分のブログや
自己紹介文は読んでもらえる可能性が高くなる。

ここで儲けているような匂いを出していければ後にアフィ
リエイトでの誘導もしやすくなるというわけだ。

このように自分の池に多くの魚を誘い込む準備をしていく。
しかし、このサイトでは純粋にゲームを楽しみたい人が参加
しているわけで、彼らを騙して擬似的な人間関係を構築する
のだから例えバーチャルなネット上の空間とはいえ、倫理観
を捨てる割り切りとストレスは付きまとうだろう。

もちろん、このような輩がmixi同様、既にいるのでハンゲーム
では商用目的の利用は規約で禁止されている。

これは著者も商材の中で述べている。
直接商用ページにリンクさせるとIDを削除される恐れがある
と述べている。

以下、商材中からの引用である。

「一度外部ブログへ誘導してから商用ページへ誘導すると
いうシステムを組んでいます。これなら規約に違反になりま
せん。」

 つまり、一度ハンゲームから外部にブログを作って、
そこでアフィリエイトをして、この商材の販売ページに飛
ばすというステップを斡旋しているのだ。

※ここで外部のブログとして使うのはライブドアブログが
挙げられている。

 ここでライブドアブログの作成方法が説明される。
非常に問題を感じる箇所なので、本文を引用するので
確認してみてほしい。 

① タイトルは、ブログのタイトルの様にハンゲームで稼ぐ
  方法や、ハンゲームで月収○○万円といった内容で構い
ません。
ハンゲームとは違い、ブログには規約がありませんので、
多少誇大になっても構いません。
② 記事のカテゴリは選択しなくても構いません。
③ 記事のタグも記載する必要はありません。
④ 重要ポイント:本文。本文は誘導するに辺り非常に重要
なポイントとなってきます。本文はハンゲームのプロフよ
り少し詳しく記載しましょう。

参考例文

何の取り柄もないダメ社員がインターネットであれを見た
瞬間、次の日から夢の様な生活が始まりました。

それは・・・

はじめまして、○○○です。
日記を閲覧して頂きましてありがとうございます。
私は元々、派遣会社で派遣社員として働いていました。
月収18万円でボーナスはなし。これだけでは家族を
養うことが出来なかったので、深夜はビルの清掃をし
て何とか生計を立てていました。
そんなある日、風邪を拗らせバイトを休んだ日の事。
ボーっとインターネットを眺めていたら、もっと楽に
稼ぐ方法を見つけてしまいました。
実はこれだったのです。
おかげ様で今は会社もバイトもやめてハンゲームばかり
しています。このお陰で自由な生活を手にする事が出来
ました。

「ブログには規約がありませんので、多少誇大になっても
構いません。」と、誇大広告を斡旋してしまっているので
ある。

特定商取引法に係る経済産業省令第31条3号によって
不実告知・事実不告知の唆し行為も禁止されているので、
まさに違法である。

 このブログのURLをハンゲームのプロフィールに貼り付
ける。これによってハンゲームからブログへ誘導されたユー
ザーはハンゲームで稼げる方法を知りたくなり、販売サイト
にアクセスしてしまい、販売サイトも大変な誇大広告により
魅力的な状態なので、購入者はこのようなチェーンメールの
ような方法をさせられるとは思わないで、購入してしまうの
だ。

 販売ページでは
「ゲームを楽しむだけで月収65万を稼いだ」
と散々謳われていたが、実際には、ゲームを楽しむだけで
はなく、上記のような下準備をせこせことすることになる。

倫理的にも問題であるのはさることながら、重要事実の不告知
・誇大広告であるのも間違いない。

では、ゲームを楽しむ話はどこに言ったかというと、それが
多少述べられていた。以下である。

「ハンゲーム上では一緒にゲームを楽しんだ方々がマイペー
ジ上に表示されるという仕組みが存在します。」 

つまり、ゲームを多くすればするほど、自分の情報が相手
のマイページ上に表示されるので、その分自分のプロフィール
を見てもらえる可能性が高くなる。
結果、アフィリエイトページに誘導しやすくなるということだ。

なるほど、この部分に限れば非常に上手な広告表現だ。

しかし同商材に類似する悪名高い石田のmixi商材の例を引く
までも無く、結局儲かるのは商材販売者ばかりで、購入者は
血の滲むような努力をしてやっと微々たる報酬を得る有様だ。

同商材は

広告規制違反の罪 100万円以下の罰金(特商法72条5号)
不当勧誘の罪   懲役2年以下又は300万円以下の罰金
         (特商法第70条1号)
・事実不告知
・不実告知    

書面不交付の罪  6月以下の懲役又は100万円以下の罰金
         (特商法71条2号)

に該当する。
本書は法律書では無いので、細々としたことは省くが、
法定概要書面の記載事項は一般的な特定商取引法の記載事
項より多岐にわたる記載が、経済産業省令第29条で
要求されている。

アフィリエイター(本商材のスキームでは一般連鎖販売者に
該当)は、上記の不当勧誘に於いて、事実の不告知について
は刑事罰を免れるものの行政処分の対象となる(経済産業省
令第31条2号)。
不実告知や書面不交付については刑事罰の対象になる。
調子に乗ってブログに誇大な勧誘文言を掲載していたら
えらい事になりかねない。

儲からない上におまけに特定商取引法違反ビジネスの片棒を
担がされてはたまらないではないか。

この商材は、単なる通信販売ではなく、
連鎖販売取引として厳重な法規制の敷かれているビジネス形態
であることを認識し、それでも参入を図りたいのであれば、
法律についてじっくり研究してからにすべきである。

それにしても株式会社インフォトップ(代表取締役高濱憲一)の特定商取引法記載は
明らかに違法、犯罪である。高濱社長は逮捕覚悟でマルチ商法なんかに手を染めるのか。
一刻も早く商材の販売を中止すべきだろう。

文責
株式会社トレンドライフ編集部
山岸 悟

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